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説明会が終わりに近づく。
このまま説明会、終わらなきゃいいのに…
ただ隣に居るだけでいい。
先生とずっとこうしていたい…
時間が止まればいいのに…。
私は腕時計を見て、小さなため息をもらす。
腕を下ろした拍子に、私の小指が先生に触れた。
「あ…ごめんね」
ドキッとして、私は咄嗟に手を離した。
その瞬間、離れた私の手を追って、先生の小指がゆっくりと私の小指を捕えた。
繋がれた、小指と小指。
えっ!?…なに?
驚いて、現状を理解しようと自分の指を凝視した。
「…先生?」
突然の出来事に動揺を隠せない私。
「…ごめん。久しぶりに触れたら…思わず」
先生は照れ笑いをして、繋いだ二人の手を自分の背中に回し隠した。
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