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私が初めてまどかの存在を知ったのは、直人と付き合いだして1ヶ月が過ぎたある日曜日の朝だった。
前日の夜、いつもの様に慎ちゃんの店で遅くまで飲んだ私達は、いつまでも鳴り響く電話の音で起こされた。
「誰だよぉ…こんな朝っぱらから」
眠そうに直人が受話器を取った。
「…あぁ……何?どうした?今…彼女来てるから。ごめん…うん、またな」
…誰なんだろ…男?女?
私は布団に潜りながら、直人の声に聞き耳を立てていた。
受話器を置くと、直人は私に抱きつきキスをした。
「ねぇ、今の電話だれ?」
直人の唇に塞がれたまま、くぐもった声を出す。
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