246人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
その後も、何度かまどかからの電話があった。
出張の夜を狙って電話をかけてくる事も度々…
まどかと電話をした事は隠さないが、「友達だから相談に乗ってる」そう言って関係を切らない直人への不信感が積もっていく…。
どうして、そんな裏切った女の相談に乗るの?
私より…彼女が大切なの?
まだ…
彼女が好きなの?…
我慢の限界に来た私は、ある日
「私の事が大切なら、彼女と関係を切って!」
錯乱にも似た状態で直人に泣きついた。
「…分かった」
そう小さく答えると、直人は私の前でまどかに電話をかけた。
「今付き合ってる彼女は、ずっと一緒にいたいと思ってる人なんだ。彼女を心配させたくないからもう電話はしないでくれ。お前は…自分で頑張れ。もう力にはなれない」
その彼の言葉を聞いた彼女は、言った。
『分かった…関係は完全に切るから。最後にあなたの大切にしている彼女と話をさせて』
直人は戸惑いながらも私に受話器を渡した。
最初のコメントを投稿しよう!