真夜中の電話

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「もうすぐ1時だよ。ほらぁ~電気もテレビもつけっぱなしで。寝るならベッドに行きなよ。…あ、そう言えば帰るの明日って言わなかった?」   手を差し出し、寝ぼけ顔の直人の手を引いた。     「うん、そのつもりだったんだけど。取引先の都合で今日戻れる事になって。 唯、明日から2連休だろ?せっかく土日一緒に居られるんだから、午前中から出掛けよう」     私に起こされソファーに座った直人が、そう言ってにっこり笑った。     「そうだね。来週は直人、結婚式で土日出掛けるし。明日は少し遠出したいな」   「よしっ!じゃあ、明日は早起きしなきゃな。俺、先に寝てるわ。おやすみぃ~」   直人は、私のお尻を悪戯気に撫でて寝室に向かった。     「もう!セクハラおやじ!はいはい、おやすみ~」     私は笑いながら、フラフラと寝室に向かう夫の後ろ姿を見送った。
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