真夜中の電話

9/10
前へ
/29ページ
次へ
――――翌朝 「最高の天気になったなぁ~。今日は何処に行きたいですか?奥様」  直人が朝食のパンにバターを塗りながら言った。     「そうだね…久しぶりに伊良湖に行きたい!ほら、結婚する前によくドライブしたでしょ?」     私は珈琲にミルクを入れ、直人の前に置いた。     「そうだな。もう2年近く行ってないもんな~。なら行こうか、伊良湖岬へ!」   「うん、行こう!直人と休みが合う土日だもんね。充実した休日にしなきゃ」     私はスプーンで珈琲を混ぜながら微笑んだ。 ―――今は、直人を信じよう…     私に向けてくれるこの笑顔を信じよう。     先生…   私はまだ頑張れるよ。     あなたが言った、【彼を信じてついて行け】…それが、結婚をするって事なんでしょ?         私はあなたには頼らない…       頼れない…。    
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

266人が本棚に入れています
本棚に追加