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「…唯…元気そうだね」
先生が囁く様にポツリと言った。
「ん?何が?」
「いや、元気ならいいんだ…。あ、パーティーはお洒落して来るんだろ?」
「うん。そりゃドレスアップしちゃうよ。みんな、お洒落に気合い入れてくるみたいだし。先生は?スーツとか?」
「うん、スーツ着てく。なんか、恥ずかしいけど」
先生はパソコンのキーを打ち鳴らしながら、密かに照れ笑いを浮かべている。
「ホントに!?先生のスーツ姿なんて初めて!見たいっ!凄く楽しみ!」
私は思わず声を高ぶらせ、歓喜の声を上げた。
先生のスーツ姿…
すらりと背の高い先生だもん。絶対にスーツが似合うに決まってる!
見たい!見たいっ!
想像するだけで胸が高鳴る。
「俺の見ても七五三とか言って笑うなよ。俺も、唯のドレスアップ見たい。楽しみにしてるから」
先生はパソコンから視線を私に移して、穏やかな声と共に綺麗に笑った。
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