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「本当にあの時はどうかしてた…凄く後悔したんだ。前回の出張で、二人で飲みに行った時にはっきりまどかに言ったんだ。この前の事はなかった事にして欲しいって。唯!俺は唯を失いたくない!本当にすまなかった」
そう言った直人の目は、涙で潤んでいる。
私の腕にしがみ付き、頭を下げる夫。
これは…何?
これは…誰?
いつもマイペースでお調子者で…
笑っちゃうくらいに勝ち気で、自信過剰な直人…。
私は今まで一度も直人の涙を見たことはない。
妻に頭を下げ許しを請う…
これは…誰?
…恐い…
…恐い…
これは…
この姿は……私?
これが、私が犯した罪の重さなの?
直人の姿が自分の姿に重なり、恐怖心が襲いかかる。
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