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「俺を信じられないって何だよ…何が言いたい?はっきり言えよ!」
直人は眉間に深いしわを刻み、声を荒立てた。
「…まどかさん、『直人を私に頂戴』って言ったんだよ」
「えっ…」
「そんな言葉、何も関係が無いのに言える?友達関係なのに言える?…それに、あの人に私達の夫婦生活の事を話したでしょ。
約束した電話もくれない…。私がどんな気持ちで、どんな苦しい思いで待ってたと思うの?」
私はうつ向き、唇を噛む。
「…夫婦生活…それは…回数が減ってるって事か?いや…ごめん。つい酔った弾みで冗談ぽく言ったかも。それに、まどかとは本当に連絡取ってなかったから…本当にごめん」
直人は私を宥める様に、優しい口調で言った。
「…直人には言わなかったけど…先週の金曜日。まどかさんから夜中に電話があったよ…ワン切りだった。直人の出張を知ってたんじゃないの?直人からの電話を待ってたんじゃないの?」
私は宥めようとする直人を見つめ、最後の疑問を投げ付けた。
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