綾子の思い…

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相手に他の女がいる…しかも婚約者。     自分以外に女がいる… それは、まさに嫉妬の地獄。   相手の女を恨み…妬み… その変貌していく自分の醜さに心は蝕まれ壊れ崩れていく…。     かつて、私がそうであった様に…。     唯は私の壊れてゆく姿を目の当たりにした。     どんな苦しみが待っているのか知っているはずなのに… それでも彼女は私と同じ過ちを犯したのだ。     しかも唯には婚約者、直人がいる。     お互い婚約者がいながら、本気で他の人を愛してしまう…   そして真に愛する者がいながら、別の相手と結婚をする…     …結婚とは、ただの恋人同士とは違う。 生涯を共にすると神に誓い、親族に誓い、法律によって心の貞操を強いられる。       偽りの愛を誓う…     それは何と罪深く、背負うものが大きい事か…。       …私は唯に「先生とキッパリ別れて直人と結婚しろ」…そう言った。     それが唯のためだと思った。 幸せになる道だと思った。     そしてその道を選んだ彼女は… 今も尚、こうして捨てられぬ想いに悩み苦しんでいる…。
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