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「そうだよ。今夜は唯にとって大切な日になるんだから…。蝶の様に美しく舞って貰わないとね」
うっとりとした表情を浮かべる私を見て、綾子が微笑んだ。
「…大切な日?何で?」
私は視線を綾子に移し、首を傾げた。
「ん?今日はスーツ姿の先生をお色気で落とすんでしょ?だから、大切な日っ」
ニヤニヤと笑いながら、綾子は自分の髪を束ねた。
パーティーが始まるのは18時。
「完璧!もうすぐタクシー来るから早く行こっ!」
なんと、約2時間かけドレスアップを終えた二人は、急いでタクシーに乗り込んだ。
到着したのは、名古屋駅付近にある名の知れたホテル。
タクシーを降り、自動ドアが開くとロビーにはフロントまで深紅の絨毯が続いていた。
「先輩~!こっちこっち!」
ロビーの端にあるソファーから立ち上がり、奈美が大きく手を振った。
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