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「あれ?受付けはどこ?」
私は奈美に近づき辺りを見渡した。
「この右の廊下を行った突き当たりですよ。それにしても先輩達、すっごく綺麗じゃないですかっ!神崎先輩、鎖骨綺麗ですね~」
スタイルの良さをアピールした綾子の姿に釘付けとばかりに、奈美は大きく目を見開いた。
綾子は胸元が大きく開き、今にも見えそうな谷間をシースルーで隠した青のスレッドドレス。
「綾子…それ、上も下も際どいんですけど…」
「何言ってんの!際どいから妄想を掻き立てるんじゃない!上品な露出。これがセクシーの基本!」
そう得意気に言い放った綾子は、上品とは程遠く、がさつさを露わにケラケラと笑う。
「櫻井先輩はセレブな感じでいいじゃないですかぁ~素敵っ!」
奈美が再び歓喜の声を上げ私を見た。
私は背中のあいた、パールを散りばめた黒のドレスに水色の透けたショールをはおる。
セミロングの巻き毛はアップし、カールをサイドで少し垂らす。
結婚をしている手前、流石に綾子の様に大胆な露出はできない。
「唯、早く受付けしようよ。もうお腹空いちゃって~。さあ!今夜は飲むぞーっ!」
綾子が私の手を引いて、受付けのある廊下を歩きだした。
受付けで記帳を済ませると、大勢の人で賑わった広いパーティー会場へと足を踏み入れた。
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