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「水島先生、まだ来てない?」
サラダとフォアグラのステーキが盛り付けられたお皿を、綾子が渡してくれた。
「ありがと。うん…まだ来てないみたい」
「まぁ、そのうち来るでしょ。まだパーティーは始まったばかりなんだし。うわっ!このステーキ柔らかくて美味しい!唯も食べなよ」
フォアグラを頬張る綾子が、輝いた目をして感激の声をあげた。
「うん、そうだね。そのうちに来るよね」
私は頷いて、ステーキを一切れ口に運んだ。
「相変わらず、二人は仲がいいんだね」
突然、私たちの背後から男性の声が聞こえた。
私と綾子が同時に振り返る。
「…結城先生…」
綾子より先に、顔を強ばらせた私が声を絞り出した。
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