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「水島先生遅いね…」
空腹感が満たされ、次に「飲む!」体勢に入った綾子が、白ワインを片手に小声で話し掛けてきた。
私は病棟スタッフと世間話をしながら、ずっと時計を気にしていた。
もうパーティーが終わるまでに1時間しかないのに…
どうしちゃったの?もしかして、このまま来ないの?
そんな…
今日会えるの楽しみにしてたのに…。
期待と胸の高鳴りは、時間の経過と共に薄れていく。
この場にいる事も、精一杯のお洒落も無意味に感じ、人知れず肩を落とした。
「唯っ!先生来た!」
突然グイッと綾子が私の腕を引っ張る。
えっ!?先生?…
引っ張られ振り向いた視線の先には、受付けを終え扉の前で会場内を見渡す水島先生の姿があった。
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