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あの雨の夜から2日が経った―――
しばらく日勤が続く私と唯は、毎朝一緒に家を出る生活をしていた。
「先生、今日は第3水曜日だよね。今夜、あの子と電話しないの?」
先生がステーションを出て一人になった所を見計らい、私から話し掛けた。
「綾さん…なんか、またフラれたよ。今日は旦那さんの出張の予定が変わって、家に居るんだってさ」
先生は気まずそうに指で鼻を擦り、小さなため息を落とした。
「直人が家にいる?…あの子がそう言ったの?」
私は目を見開き、ガックリと肩を落とす彼に言葉を返した。
「うん…そうだけど。それがどうかした?」
先生は私の顔をマジマジと見て、首を傾げる。
やっぱり…
今でも唯は何も話してないのか…。
「先生、唯は先週の日曜日からずっとうちに泊まってるよ…」
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