綾子の思い

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「ちょっと綾子~、それ大根おろし入れすぎじゃない?」   「えっ?そう?やっぱ、和風茸スパにはおろしたっぷりでしょ~」   私はそう言って、パスタの上の茸が見えなくなるまで大根おろしを乗せる。     「うわっ!真っ白!それじゃただの大根パスタじゃん!」     唯が私のお皿を指さし、口を開けて大笑いする。   今夜は翔太が会社の友人と飲みに出掛け、夕食は唯と私の二人だけ。     「翔ちゃんは、飲みに行くといつも帰り遅いの?」   フォークで茸とパスタを絡めながら唯が言った。     「飲みに行く友達にもよるけど、大体1時くらいには帰ってくるかな」     「へぇ~結構早いね。直人なんて3時、4時なんて当たり前だよ?」   「ふぅ~ん。それって、また風俗でも連れて行かれてんじゃないのぉ?」   大根絡みのパスタをクルクル巻いて、私はそれを口に入れた。   
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