最後の手紙

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「本当、信じらんない!愛し合ってる二人がホテルまで行っておいて…やることやらんで帰ってくるなんて有り得んわっ!」   カクテルを飲みながら、口を尖らせあからさまにふて腐れた顔をする綾子。     「やることやらんでって…その下品な言い方やめてくれる?」 私は横目で綾子を見て、ふんっと短く息を切った。         朝方、私は先生に綾子の家まで送ってもらい、睡眠薬の力を借りて仮眠をとった。     夕方になっても部屋から出てこない私を心配し、綾子は「今からご飯を食べに行くよ!」と言って、外出する気になれない私を引っ張って来た場所は、日曜の静けさに包まれた慎ちゃんの店であった。 
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