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…このまま全て…壊れちゃえばいい…
先生が居てくれれば、何もいらない。
きっと、初めからこうなる運命だったんだ…
私は…―――この愛を貫く。
直人…ごめんね…
さゆりさん…ごめんなさい…。
【唯…俺、待ってるから…】
直人が悲痛な眼差しで私を見つめる―――
「やめてっ!そんな目で私を見ないでよ」
さゆりさんの純粋で真っ直ぐな瞳が、私を見つめる―――
「やめてよ!…そんな目で私を見ないで…」
やめて…
やめてよ…
私を見ないで…
お願いだから
…私を解放して…
もう…
私は楽になりたいの―――。
「唯…大丈夫か?」
遠くから先生の声が聞こえた気がして、ギュッと閉じていた瞼を開けた。
「…先生……私…」
涙声を漏らす私の体は硬くなり、怯えたように先生の腕の中で震えていた。
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