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そして『トクン』と小さく音を立てる、胸の鼓動…。
以前の様な強く求める想いは消えても、私の心の奥にはまだ先生が居る。
消そうとしても消えない…
離そうとしても決して離す事のできない、秘かな想い。
私の心の一部となって…
私を支えてくれる大切な人。
私はペンを手に取り、便箋の上にペン先を乗せた。
そして、心の中に閉じ込めていた言葉を文字で綴る。
三日月の光に照らされながら読んだ、先生からの最後の手紙の返事を。
先生のもとへは届かぬ…
私からの最後の手紙を―――。
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