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「ごめん…突然。俺が来るなんて不謹慎って分かってるけど、どうしても唯に直接おめでとうを言いたくて…」
扉を閉めながら微笑む先生を、私はあからさまに驚いた表情をして見上げた。
「先生…あの…」
突然の出来事に混乱する私を見て、綾子が「してやったり」と言わんばかりにククッと満足気に笑う。
「私が産まれたよって教えてあげたら、先生が赤ちゃん見たいって言うから連れて来ちゃった」
綾子が口端を上げてピースサインをして見せた。
「綾子~、あんたは全く…」
戸惑いながらも、綾子に視線を飛ばして呆れた笑みを浮かべる。
「ごめん、病室まで押しかけて迷惑だったよね?唯の元気な顔見れたし、赤ちゃんの元気な顔を見たらすぐ帰るから…ごめん」
先生は気まずそうに言って、ぺこりと頭を下げた。
「違う違う!ちょっと…かなりだけど、驚いちゃって。わざわざ来てくれてありがとう。…でも、何でこんな時間に病院にいるの?」
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