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「ねぇ、唯は仕事復帰しないの?」
クッキーをかじりながら綾子が言う。
「うん…もう少ししたら考えようかな。綾子は育児休暇が終わったら、すぐ働くんだよね?」
「私は6月から復帰する。って言うか、もう働く場所を勝手に決められたもん」
「早っ!…で?どこ?行きたいって言ってた循環器?」
「違う…救急外来。循環器に行きたいから、面接の時に急性期看護を希望したら救急だよ?確かに急性期だけど…急性期過ぎるっちゅーの!」
クッキーを流し込む様に紅茶を飲み干し、綾子は肩を落とし深いため息をついた。
「まぁ…一応希望は通ってるじゃん。急性期」
親友の嘆きも全くの他人事である私は、ククッと喉を鳴らして綾子のカップに紅茶を注ぎ足した。
「ね~。唯も一緒に働こうよ。救急でさ。一回退職して戻って来てるナースなんてたくさんいるし。もう先生はうちの病院に居ないんだから、いいでしょ?」
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