口癖-2

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会長が日本にいる間、古くから付き合いのある社長や友人、関係者を招き、ホテルやレストラン等を貸しきって、食事を含めたパーティを開催していた。 これも毎度のこと。 「それでは、お声をかける皆様も同じ方々で…」 「ああ、いやいや…」 片桐の問いに、軽く手を上げながら言葉を塞ぐ。 「いつもの方々はもちろんだが、今回は泉くんにも声をかけてくれないかな?」 ………泉? 俺はすぐに顔を上げ、会長を見つめた。 泉って…。 「…まさか、…泉、晃一ですか?」 片桐ではなく、俺が聞き返してきたことに不思議な様子で会長は話を続ける。 「晃一?…いや、私が言ってるのは秀一(シュウイチ)くんだが…?…ああ、そうか。泉くんのところも、今は息子が跡を継いでるんだったな」 …秀一。つまり、そこの会長ということか。 だが、俺は晃一でないにしても、腑に落ちなかった。 「会長、なぜそこの会長を誘おうと思ったんですか?」 強い眼差しを持って会長を見つめる。 そんな俺に、首を傾げてきた。 「…逆に教えてくれ。なぜそんなことを聞いてくる?」
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