問題児-1

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「ありがとうございます!」 「…ん?何がだ?」 私が発した言葉に、悠哉は軽く首を傾げた。 「すごくうれしいです!」 そう言うと、悠哉はさらに不思議そうな顔をしていた。 私はその表情に、満面の笑みで返す。 「私、悠哉が仕事をどれだけがんばってるのかずっと見てきたけど、そういうはっきりとした夢があるなんて知らなかったです。もちろん社長なんだから会社の目指す目標はあると思いますけど、悠哉の、個人的な夢があったなんて…!だがら、それを話してくれたことがすごいうれしい!」 悠哉の目が見開いたようにも見えた。 少し間をあけてクスクス笑いはじめる。 「俺こそ、ありがとう」 その返ってきた言葉が意外で、私はパッと悠哉を見つめた。 「お前にこんな話しても、つまらないだけかと思ったんだが…」 とても穏やかな表情で見つめてくる。 「だが、わからないぞ。本当にただの夢で終わるかもしれないしな」 ボソッとそう言って、またもクスクス笑っていた。 そのまま悠哉の手は食事を進めていく。 私も、同じように進めていった。
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