1046人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「ありがとうございます!」
「…ん?何がだ?」
私が発した言葉に、悠哉は軽く首を傾げた。
「すごくうれしいです!」
そう言うと、悠哉はさらに不思議そうな顔をしていた。
私はその表情に、満面の笑みで返す。
「私、悠哉が仕事をどれだけがんばってるのかずっと見てきたけど、そういうはっきりとした夢があるなんて知らなかったです。もちろん社長なんだから会社の目指す目標はあると思いますけど、悠哉の、個人的な夢があったなんて…!だがら、それを話してくれたことがすごいうれしい!」
悠哉の目が見開いたようにも見えた。
少し間をあけてクスクス笑いはじめる。
「俺こそ、ありがとう」
その返ってきた言葉が意外で、私はパッと悠哉を見つめた。
「お前にこんな話しても、つまらないだけかと思ったんだが…」
とても穏やかな表情で見つめてくる。
「だが、わからないぞ。本当にただの夢で終わるかもしれないしな」
ボソッとそう言って、またもクスクス笑っていた。
そのまま悠哉の手は食事を進めていく。
私も、同じように進めていった。
最初のコメントを投稿しよう!