口癖-2

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目を反らすことなく、真っ直ぐ見つめたまま、俺は膝の上で手を握りしめた。 「ここ最近、そこの会社との関係や今までの業績、歴史や他社との繋がりについてこと細かに調べています。俺が知る限り、あそことうちの会社は今だかつて取引をした形跡がありません。近い立ち居ちにいる会社として、あそこはどう考えても敵…」 「敵対するべき相手だと、そう言いたいのか?」 俺が強く語る言葉に、会長が重ねてきた。 さらに強く手を握りしめた俺は、コクンと頷く。 すると会長は、フゥッと一息つくと、再びソファーにもたれかかった。 「そうか、よく調べているんだな。勉強を惜しまずがんばっているんだと感心するよ」 そしてニコッと笑い、話を続ける。 「そこまで泉くんの会社を調べなければならなくなった問題でも、起きてしまったかな?」 その言葉に、胸がジリジリ熱くなった。 だがそれは、俺だけではないはず。 隣にいる片桐も、俺と同じであろう空気が伝わってくる。 しばらくして、会長が続けた。
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