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「悪いが、彼を誘わないわけにはいかない」
「なぜですか!?」
俺の意見に覆らないその言葉に、反対の姿勢を思いきり表した。
「彼がロスに訪れた際に、私のところへ幾度となく顔を出してくれててね。次に日本へ戻ったときは、私から誘うと挨拶を交わしているからだよ」
そしてまたも笑顔を俺に見せてきた。
一度視線を外し、なるの持ってきたお茶を一口飲んだ後、さらに続ける。
「私はね、泉くんを敵対する者として見たことは一度もない。ライバルだったとは言えるがね」
…ライバル?
「私も泉くんもお互いそう意識していたんだが、社長という第一線を終えた今、2人で話をしてみると、思うことは一緒でね。不思議と気が合うんだ」
そして、お茶をテーブルへと置いた。
「敵対する者とライバルは、似ているようで同じ意味をなさない。…さて、悠哉はその泉晃一くんを、どう捉えているんだろうか」
顔を上げ、俺を見つめてくる。
「お前にとって、晃一くんが良きライバルだとしたならば、私としてはうれしいよ」
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