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その後押しをしてくれるかのような会長の言葉に、感謝した。
握りしめていた手を緩め、そこに視線を移す。
逆立っていた気も落ち着かせようと、お茶に手を伸ばした。
そしてそのまま、手にしたお茶を見つめていた。
「悠哉、お前にもうひとつ」
会長の声に、顔を上げた。
「軍に将たるの事は、静にして以って幽なり」
その意味がわからず、会長を見つめた。
「この言葉は、組織リーダーに共通する心構えと言っていい。分かりやすく言えばだな…、何か事が動いたとき、リーダーが動揺したり緊張したりすれば、それは回りにも伝わるんだということだ。つねに冷静沈着であってこそ、皆の信頼を勝ち得ることができるんだよ」
会長が笑った。
「今のお前はまだなんとか冷静にも見えるんだが…。これではいかんなぁ…。どうも学生のころを思い出してしまう。あれはたしか、中学生のころだったか…」
そう呟きながらため息つく会長に、隣で片桐がクスクス笑ったのがわかった。
すぐに話に乗っかっていく。
「中学というと、たしか、社長が一番荒れていたころでしたよね?」
「ああ、そうだ。よくわかってるな」
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