悠哉もですか!?-1

7/14
972人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
駐車場に車を止めた後、私たちはお店に向かっていた。 「少し歩くが、平気か?」 「はい!大丈夫です」 そんなの全然余裕。 そんなことよりも、思わぬところで悠哉と手を繋いで歩けたことに、私の心は弾んでいた。 会長と待ち合わせしているそのお店は、大通りから一本入った狭い道を進んだところにあるらしい。 これといった大きな看板があるわけでもなく、意外とひっそりしている場所にたち構えていた。 辺りには、どこか高級感が漂っている。 きっと私一人だったら、中へ入ってみようなんて思えないかも。 悠哉はそんな私の手を握ったまま、どんどん前へと進んでいった。 そして、そのお店の玄関をガラガラッと開ける。 悠哉の後に続いて私も中へ。 入るとすぐに、季節感のある生け花がお出迎え。 その陰から、私たちに気づいた人がスタスタスタとやって来た。 「あら、悠ちゃん。いらっしゃい。久しぶりじゃない?」 「どうも」 ゆ、悠ちゃん!? 私は、やって来た女性と悠哉を交互に見つめた。 「軍二さんならもういらっしゃってますよ」 「そうですか。待たせてしまったかな?」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!