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「だから君に、間違った愛の表現をしていないか、少し心配でね」
私はすぐに首を振った。
「大丈夫です。私は、間違った愛だなんて感じたことはありません」
真っ直ぐ瞳を見つめ、しっかりと伝える。
会長のその少しの不安を、全部払い除けてしまえという思いを胸に。
すると、私にニコッと微笑んできた。
そして続ける。
「だが、なるちゃん。悠哉に言ってやりたくても言えない、伝わらないなんてことがあったときはすぐに連絡してくるんだよ。ほら、あの子に喝を入れられるのは、私か片桐ぐらいだろう?」
それを聞いて、思わずアハハと笑ってしまった。
その笑い声が、どうやら悠哉の耳にも届いたようで。
「おい、何がそんなに楽しいんだ?」
すぐに声をかけてくる。
会長は私に、いつだかしてくれたように人指し指を一本たてて口元へ運んだ。
その仕草に、私もニコッと返す。
すると黒田さんは、こちら側のほうが安全だと察したのか、すぐに立ち上がり私の隣へとやってきた。
「会長、飲み物も料理も整いましたし、そろそろ始めましょう。宴会を!」
…宴会?
宴会するんですか!?
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