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その音は、私たちの部屋の前でピタッと止まる。
…ん?
何事?
と思った瞬間、いきなり襖がザザァッと勢いよく開いた。
「遅れてしまい、申し訳ありません!」
頭をペコッと下げながら、大きな声でそう叫んできたのは…。
「…黒田!?」
悠哉がどこか困惑しながら声をかける。
「遅れて申し訳ないって…、何がだ?」
会長も、頭を下げてきた黒田さんを不思議に思ったのか、そう続けた。
「え!?だって、たしか今日は、悠哉たちと食事する予定のはずでは!?」
「…おい。誰もお前なんか誘っていないが?」
その悠哉の問いかけに、黒田さんは思いっきり驚いた表情を返していた。
「ええ!?…でも、たしか会長、今日は悠哉たちと食事だから、忘れないようにって…」
その言葉に、会長はすかさず一息。
「参ったな。どうやら、誤解しているようだ。忘れずにと言ったのは、ここまで送ってもらうのに伝えておいただけのこと。さっき連絡いれただろう?友人に送ってもらうことになったから、大丈夫だと」
「…そうだったんですか!?あれ~、おかしいなぁ。てっきり俺も含まれての食事会だと思っていたのに」
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