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その隣で黒田さんはニッコリ笑っていた。
「なんだよ片桐、せっかくの誘いだ。お前も入れよ」
そして遠慮している専務の腕を掴み、無理矢理連れて中へと入ってきた。
「はぁ…、まったく。…なるちゃん、少しうるさくなるかもしれないが、構わないかな?」
「あ、はい!大丈夫です。大勢のほうがきっと楽しいですし。ね、悠…」
悠哉に触れようと思い、隣へ視線を送ったその瞬間、私は声を詰まらせた。
…ああ。
これはまずい。
今まで一緒にいて、ここまでのご立腹な悠哉は見たことがありません。
「黒田…、おまえな…」
そう言って、今にも座ろうとする黒田さんへ近づき襟元を掴んだ。
「少しは空気を読め、空気を!」
あぁぁぁ!
その様子を見て、近くにいては危ないと感じた私は、さささっとよけて会長の方へと回った。
怒ってる悠哉にビクともせず、さらにニッコリ笑う黒田さん。
「ええ?何言ってるんだよ。いいじゃないかぁ、俺も家族のようなもんだろ?兄貴だと思えばいいんだって」
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