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「俺もそんな偉そうに助言できるほど、余裕のある立場ではないんだがな」
そして、クスッと笑う。
私は、そんな悠哉をしばらく見つめた。
そのまま我慢して、言葉を返そうと思ったんだけど…。
ダ、ダメだ。
堪えられずにプッと吹き出し、思いっきり笑った。
「アッハハハハ!」
「あ!?…おいおい、そんなに笑うとこじゃないだろ!?」
「ご、ごめんなさい!でも、でも…」
私は、顔を歪ませてる悠哉の頭を指差した。
「悠哉の髪の毛、アフロヘアーになってるんだもん!」
さっきまで私が乗せていた泡が、いい感じに形を作っている。
今の言葉に、悠哉はすぐにハッとした。
その表情を見て、私はさらにクククククッとお腹を押さえて笑ってしまった。
怒られるかなぁと思いきや、悠哉は頭の上にある泡をさらに整えはじめる。
そして続けた。
「まぁ、俺ぐらいなら、アフロもそれなりに似合うに違いない」
そう言って、キリリとした表情を見せてくる。
意外な悠哉の返しに、私はさらに笑ってしまった。
爆笑し続ける私を前に、悠哉はやれやれといった感じで、頭に乗っている泡を取り除き始めた。
「ねぇ、悠哉」
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