その始まりは、私の背後から-2

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「ん?」 「おかげで、スッキリしました」 そう言ってニコッと微笑んだ。 悠哉が気づいてくれなかったら、話を聞いてくれなかったら、きっとしばらくは心をモヤモヤさせたままだったと思う。 気づいてくれて、聞いてくれて、ありがとう。 そう伝えようと、続けて口を開けた。 でも、目の前にる悠哉は間をあけることなく、ニヤリと笑ってくる。 「…なら、もういいかな?」 え? 何がもういいのか、とっさに頭を働かせた。 でも、悠哉はその言葉の後にも間をあけることはなかった。 顔が近づいたかと思えば、すぐに唇が重なる。 そして手が回ると、私の身体をまたも引き寄せた。 わ、わあぁぁぁ! だから、まずいんだって! そんなに触れないで。 身体をくっつけないで。 なんとかお風呂から上がらなくては! 唇が離れた瞬間、私はすぐに悠哉の顔を両手で包んだ。 「あ、あの!」 「…何だ?」 悠哉の強い眼差しが、私に注がれる。 「お風呂から、そろそろ上がりましょう」 「…のぼせるから?」 「あ、それもあります」 悠哉が首を傾げた。 「…他にも理由があるのか?」
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