一晩中-2

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しばらく、というか、どれぐらい自分の身体を抱いていたのかは定かじゃない。 私は目をギュッとつぶり、震えと戦っていた。 次に目を開けたのは、車のドアが開く音が聞こえたとき。 ハッとして、慌てて顔を上げる。 運転席に、悠哉が乗り込んできた。 背もたれに寄りかかり、ドアをバタンッと閉め、そして視線を私へゆっくり移してくる。 その表情は、思っていたよりも落ち着いていた。 …よかった。 どんな会話をしてきたのかはわからない。 何を話してきたのかなんて、聞けない。 でもその表情に、胸の中でいくらか安堵する。 お互いに見つめ合っていると、少しして、悠哉の手が私の頬に伸びてきた。 優しく触れる。 その仕草に、手のぬくもりに、いつの間にか身体の震えは感じなくなっていた。 悠哉が頬から手をゆっくり離すと、私の前にウォレットを差し出してきた。 「あっ…」 すっかり忘れてた。 「ありがとうございます」 それをギュッと握りしめると、次に悠哉が口を開いた。 「…大丈夫か?」 私はウォレットから顔を上げ、悠哉を見つめた。 再び視線が重なる。
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