夢-1

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…が、手にしていたコップが邪魔をする。 これでは両手で抱き締められないうえに、思いきりなるに触れられない。 俺は無言のままなるから離れ、ダイニングテーブルへ。 そのテーブルにコップを置いた。 そして振り返る。 そこには、首を傾げ不思議そうに俺を見つめているなるがいた。 その表情さえも、俺の胸をくすぐらせていく。 想いだけを先走らせることなく、足早になるのもとへ駆け寄った。 そして動きを止めることなく、流れるように、そのまま大きく抱き締めた。 「あ、あれ!?…どうしたんですか?」 俺が再び戻ってきて抱き締めてくるとは思わなかったのか、胸の中でジタバタしはじめる。 なるの熱帯びる身体につられ、俺の身体も熱くなっていった。 しばらくして、その抱き締める強さに、なるは自然と身を寄せてきた。 …気持ちを、伝えたい。 それは、純粋な想いからだった。 抱き締めていたなるの身体をそっと離し、代わりに手をそれぞれ握った。 なるは握られた手を見た後、目を見開いて顔を上げてくる。 視線が重なった。 大きな瞳を覗き込む。 「…なる」 「は、はい?」
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