一晩中-2

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私は悠哉の瞳を見続けながら、コクンと頷いた。 私なら、大丈夫。 悠哉がそばにいてくれるだけで…、今はそれだけで、大丈夫。 そんな想いを込めていた。 けれど、しばらくして悠哉が私からフッと視線を外し、顔を下げる。 なぜだろう。 落ち着いた表情なのに、その視線の外し方に違和感を感じた。 …泉社長との会話で、何かあった? 悠哉の瞳からそれを読み取ろうと、一所懸命に横顔を見つめていた。 いてもたってもいられず、声をかける。 「……悠哉?」 その呼び掛けに悠哉はこちらへ顔を向けてくれるも、視線を合わせることなく続けてきた。 「…家に、帰ろう」 私は少し間をあけた後、とまどいながらも返事をした。 「…はい」 そして、持っていた鍵を悠哉へ渡す。 それを受け取ると、車のエンジンをかけた。 真っ直ぐ前を見て、車を走り出させる。 家に着くまでの間、車の中はとても静かだった。 その空気に、全くいい予感なんて感じない。 むしろ、変な緊張が私の胸の中を埋め尽くす。
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