夢-2

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俺はその手をゆっくり掴み、顔を覗いた。 「…なる」 その呼び掛けに、なるが口を開く。 「あ、あの!別に、言葉は言ってくれなくてもいいんです!…あ、言葉はっていうか、あの、ただ思い付いただけであって…、その…」 どこを見て話しているのか。 後半は声を小さくして、ボソボソ続けていた。 …言葉は言わなくてもいい? それを聞いて、ピンときた。 ああ…、そうか。 つまりなるは、俺にキスしてほしい。 …そういうことか? 確信を得たような表情で、なるを見つめた。 すると、俺にチラチラ視線を送っては、困った様子で小さくなっていく。 そんななるに、ニヤリと笑った。 すると瞳を大きくして、一気に顔が赤くなっていく。 顔を下げては上げ、下げては上げの繰り返し。 「…おいおい、落ち着け」 そう言って、クスクス笑った。 いいか。 しっかり俺を見ろ。 なるの顎に触れ、クイッと顔を上げた。 ギリギリまで顔を近づけて、なるの望んでいる言葉を呟いていく。 「…口は、…どうするんだった?」 そう言って、ニヤリと笑った。
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