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「いきなり食事に行こうって思い付いたんだろうし、何も考えずに連れてってくれたんだろうけどさ…。でもね、すごく楽しかったんだぁ。しょっちゅう顔を出してたお店なんだけど、まるで違う場所っていうか…。全てが特別に思えたっていうか…」
幸恵の言葉に、ハッとする。
…特別かぁ。
「行き当たりばったりだったけど、うまくいくことばかりじゃなかったけど、あの日のこと全部、私忘れないと思う。これからもずっと、思い出として残っていくんだと思う」
言い終わると、大谷くんが顔を上げて幸恵を見つめた。
幸恵はアハハと笑って、大谷くんに気合いを入れさせるかのように、背中をバシッと叩いていた。
2人は視線を重ねた後、お互いにニッコリ。
どうやら仲直り以来、さらにラブラブ度は増しているようで。
よかったぁ。
嬉しそうな幸恵の顔を見てると、胸があたたかくなってくる。
そして思う。
もしかしたら今回の件は、2人の仲をより強くするために起こったことなのかもしれない。
お互いの気持ちをしっかり確認するために、あるべくしてあったことなのかもしれない。
…それは、私と悠哉にも言えることなのではないだろうか。
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