出会いの原点-1

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「俺ね、なるちゃんに教えてもらったんだ。特別なときには、特別な言葉でって!」 やだ、やめてよ。 なんか恥ずかしいじゃん! 「あぁぁ、大谷くん!いいから!それ、言わなくていいから!」 「えぇ!?ちょっと、なる、止めないでよ。すっごい気になるじゃない。私にも教えて!」 「あぁ!ホントいいって!大したことじゃないんだって!」 私が何を言ってもお構い無しで、幸恵は大谷くんに迫っていた。 大谷くんは大谷くんで、染々した感じで語り始める始末。 その後、話の内容を理解した幸恵はニッコリだった。 少々興奮気味に「なる、よく言ってくれた!」の連発で。 しばらく騒ぎは収まることなく…。 もちろん、私の悩みが解決することもなかった。 もしかしたら、幸恵と大谷くんに相談したのが間違いだったかな? そんな思いを胸に、午後の仕事を淡々とこなしていた。 特に予定が狂うこともなく、6時を回ったころ専務がエレベーターから降りてきた。 「相沢さんは、そろそろ上がる時間ですかね?」 「はい」 返事をすると、穏やかな表情で頷いた。 「おつかれさまです」
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