出会いの原点-1

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その言葉を耳にしながら、私は専務を見つめた。 …専務だったら、なんかいいアドバイスしてくれそうな…。 悠哉と付き合いも長いし。 男性代表として、いい提案をしてくれそうじゃない? しばらくして、専務が首を傾げる。 「…私の顔に、何かついてますか?」 「あっ!いえいえ、違います!」 さらに不思議そうに私を見つめてくる。 この際だ、少し話を聞いてもらっちゃおうかな。 カウンターから出て、専務の前へ。 「あの、専務。今、少しだけ話を聞いてもらえますか?」 眼鏡の中の瞳をパチパチとさせる。 「…どうかされましたか?」 優しい専務の声に感謝しながら、私は続けた。 「あの、例えばなんですけど…、専務だったら誕生日に、何をプレゼントされたらうれしいですか?」 「…誕生日?」 再び瞳をパチパチさせると、視線は上へ。 考えてくれているのか、天上を見つめ始める。 どんな答えが返ってくるのかワクワクして待っていると、少しして視線がゆっくり私へ戻ってきた。 そしてクスッと笑う。 「そういえば、そろそろ社長の誕生日でしたね」 すぐさま反応したのは私の頬。 熱くさせながら、その場に直立した。
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