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その言葉を耳にしながら、私は専務を見つめた。
…専務だったら、なんかいいアドバイスしてくれそうな…。
悠哉と付き合いも長いし。
男性代表として、いい提案をしてくれそうじゃない?
しばらくして、専務が首を傾げる。
「…私の顔に、何かついてますか?」
「あっ!いえいえ、違います!」
さらに不思議そうに私を見つめてくる。
この際だ、少し話を聞いてもらっちゃおうかな。
カウンターから出て、専務の前へ。
「あの、専務。今、少しだけ話を聞いてもらえますか?」
眼鏡の中の瞳をパチパチとさせる。
「…どうかされましたか?」
優しい専務の声に感謝しながら、私は続けた。
「あの、例えばなんですけど…、専務だったら誕生日に、何をプレゼントされたらうれしいですか?」
「…誕生日?」
再び瞳をパチパチさせると、視線は上へ。
考えてくれているのか、天上を見つめ始める。
どんな答えが返ってくるのかワクワクして待っていると、少しして視線がゆっくり私へ戻ってきた。
そしてクスッと笑う。
「そういえば、そろそろ社長の誕生日でしたね」
すぐさま反応したのは私の頬。
熱くさせながら、その場に直立した。
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