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い、いや、たしかにそうだけど、私が聞いたのはどんなプレゼントだとうれしいかってことであって…。
目を泳がせながら、次に返す言葉を探す。
狼狽える私を前に、専務はニッコリすると軽くかがんで顔を近づけてきた。
「相沢さん自身を、プレゼントとして差し上げたらいかがですか?」
「えっ、えぇ!?」
熱さは頬だけに留まらず、身体中から湯気が上る。
専務ってば!何を言ってしまってるんですか!?
そんなこと、涼しい顔でサラッと口にしてはいけまけん。
わ、私自身だなんて…。
「からかわないでください!私は、ホントに何がいいか悩んでて…、聞きたいのは、専務がうれしいものです!」
すると、顔を近づけたまま、またもニッコリして頷いてくる。
「もちろん、私が頂いてうれしいものをお教えしただけですよ」
「はいっ!?」
ま、待って!!落ち着け!
冗談に決まってる。
よく見なさい。
その表情はまさに、天使に見せかけた悪魔の微笑み。
私で遊んでいるに違いない。
反応を見て、楽しんでいるに違いない。
硬直したまま、専務を見つめていると…。
「近いっ!」
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