出会いの原点-1

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私の後方からいきなり大きく響くその声に、身体をビクッとさせてしまった。 専務は屈めていた背筋を伸ばすと、にこやかに返し始める。 「今、部屋へ伺おうと思っていたところです」 私はそろぉっと、身体をひねらせ振り向いた。 そこには、片眉を上げ少々ご機嫌斜めであろう悠哉が立っている。 あれ!?ま、まずい!? 何か誤解させてしまった!? あたふたしていると、悠哉はゆっくり足を運び私たちの前へ。 近くまでやってくると、私を見た後に視線を専務へ移した。 「何してた?」 う、うわぁ! 悠哉ってば、そんな睨みながら話さなくてもいいじゃない!? 「私は何もしていませんが?ただ、相沢さんと会話を楽しんでいただけですよ」 続いて、専務の言葉にハッとした。 ヤバイ! もしかしたら専務、悠哉の誕生日のことに触れちゃうんじゃない? 私が悩んでるって、口にしてしまうかも!? それはダメダメ! 出来れば誕生日のことは、まだ内密に! 私はそっと悠哉の後ろへ回り、誕生日には触れないよう、専務に身ぶり手振りして見せた。 チラッと視線を運んできた専務が、パチッと瞬きする。
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