出会いの原点-1

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あれよあれよと抵抗する間もなくて。 部屋を閉めると、すぐにそのドアへ背中を押し付けられた。 そして私を囲み、ニヤリと笑う。 顔を近づけ、瞳の中を覗き込んできた。 かと思えば視線は動き、今度は唇を見つめ始める。 すぐにでも噛みつこうとしているようなその眼差しに、私はいてもたってもいられず唇をギュッと噛み締めた。 すると視線は、再び私の瞳へ。 いたずらに笑うその表情が、私の胸を鷲掴みにする。 鼓動が高鳴り、目を合わせてなんかいられない。 悠哉ってば、私をどうしたいんですか? このまま見つめてるだけですか? しばらくして、息を吹き掛けてくるかのようにそっと囁いてきた。 「…何を考えてる?」 …うっ。 べ、別に…、何も考えていませんが。 黙ったまま視線を反らしていると、悠哉はさらに顔を近づけてきた。 …そんなに近づいたら、唇が重なってしまいますよ? 胸の中で呟く私。 もちろん、顔を熱くさせながら。 すると悠哉の手が私の唇に触れ、優しくなぞっていく。 かと思えば、次にその手は顎に触れた。 その瞬間、胸の中に過った思い。 こ、これは、口を開かせられる!? キスされる!?
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