973人が本棚に入れています
本棚に追加
すぐに口角は上がり、私へニヤリと笑ってくる。
もしかして、唇を離してしまうのを惜しむ思いが伝わってしまったかな?
何も語らず黙っていると、少しかがんできて目線を同じ高さにしてきた。
そして口を開く。
「安心しろ。お前の胸の中、すぐに俺で満たしてやる」
その言葉にズキュンッと胸打たれ目を見開くと、悠哉を見つめる間もなく再び唇が奪われていった。
「んっ!」
…あぁ、ちょっと待ってよ。
いいですか?
長きに渡ってずっと言ってきたことですが、ここは会社です。
社長室です。
朝からこんなにキスしてちゃダメだってば!
なぁんて心の中で叫んでいる反面、徐々に激しく重なっていく唇は、自分の身体の中にある欲情というスイッチを勢いよく押していた。
悠哉を求めずにはいられない。
私の肌に触れてくるその手は、頭で考えることを食い止め、阻止していた。
理性に構ってなんかいられない。
自ら手を悠哉に回し、体を預けていった。
寂しいんだろうなぁなんて思っていたけど、なんだかんだで悠哉の俺様っぷりはご健在なわけで。
いやいや。
それを言うなら、悠哉のそんなところに弱い私も私なのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!