出会いの原点-1

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すぐに口角は上がり、私へニヤリと笑ってくる。 もしかして、唇を離してしまうのを惜しむ思いが伝わってしまったかな? 何も語らず黙っていると、少しかがんできて目線を同じ高さにしてきた。 そして口を開く。 「安心しろ。お前の胸の中、すぐに俺で満たしてやる」 その言葉にズキュンッと胸打たれ目を見開くと、悠哉を見つめる間もなく再び唇が奪われていった。 「んっ!」 …あぁ、ちょっと待ってよ。 いいですか? 長きに渡ってずっと言ってきたことですが、ここは会社です。 社長室です。 朝からこんなにキスしてちゃダメだってば! なぁんて心の中で叫んでいる反面、徐々に激しく重なっていく唇は、自分の身体の中にある欲情というスイッチを勢いよく押していた。 悠哉を求めずにはいられない。 私の肌に触れてくるその手は、頭で考えることを食い止め、阻止していた。 理性に構ってなんかいられない。 自ら手を悠哉に回し、体を預けていった。 寂しいんだろうなぁなんて思っていたけど、なんだかんだで悠哉の俺様っぷりはご健在なわけで。 いやいや。 それを言うなら、悠哉のそんなところに弱い私も私なのかもしれない。
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