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ん?なんだか、苦笑い?
一緒になって話に乗っかってくるわけでもなく、その表情はどこかひきつっているような。
「それが聞いてよ!そこまでは良かったのにさぁ…」
…そこまでは?
「せっかく行ったそのホテルのレストラン、かなり賑わってて予約でいっぱいだったのよね。中に入れることもなく…」
「え!?うそ!?…それじゃ、そこで食事できなかったの!?」
目を見開いてたずねると、幸恵はため息をつきながら頷いた。
その隣で肩を落とす大谷くんも、つられるようにため息をもらす。
「その後、行くとこ行くとこみんな混んでてさぁ…。結局食事できたのは、私のアパート近くにあるいつもの居酒屋だったんだよねぇ…」
そしてやれやれとさらに一息。
…あ~、あちゃあ…。
そんなことが…。
大谷くん、せっかくがんばって行動したのに。
なんだか気まずくて、笑っていいものかどうか悩んでいると、そんな私へ幸恵がニコッと微笑んできた。
私はその笑顔の意味が分からずに、目を見開いた。
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