出会いの原点-2

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講演の始まる前になんとか間に合ったところはいいものの、友達が私を見つけては、「なる!こっちこっち!席ちゃんと取って置いたんだからね!」と言われ、ついていった場所は舞台の一番前。 つまり、講演者の目の前なわけで…。かなり友達に嘆いたっけなぁ。 もっと後ろに行こうって言っても全く聞いてくれず、仕方なくその席に腰を下ろしたんだった。 なんでも、かなりかっこいい若社長が講演するんだとかどうとか。 そんなの全く興味がなかった私は涼太のことで頭がいっぱいで、話なんて全然聞いてなかったんだよね。 さらには、そんな私だったためレポートも何をどう書いたらいいのやら。 その後教授に呼び出しをくらったんだったっけ…。 「ああ…、なんてアホな…」 自分に呆れ、やれやれと首を振っていた。 そして手帳を閉じ、そこから顔を上げてまたもフゥと一息ついた。 それにしてもまさかそんな思い出のある大学で悠哉が講演をするだなんて、本当にすごい偶然だよね。 私はそう思ったんだけど、でも、悠哉の反応はイマイチだったなぁ。 こんなことがあるなんて、普通驚かない? すごいことだと思わない?
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