出会いの原点-2

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気づけば胸が大きく高鳴り出していた。 そこから徐々に熱くなっていく。 私は息を飲み込み、当時のことをもう一度一から思い出していった。 たしか、友達はキャアキャアはしゃいでいた。 「すっごくかっこよかったよね!」とか、「イケメンすぎるぅ!」って騒いでた。 舞台に立った男性は、どんな顔だったっけ? もちろん目の前に映るのは、モヤッとした面影だけ。 それでもなんとか当時のことを思い出そうと、必死になって頭を働かせていった。 …たしか、黒髪じゃなかった? …たしか、背が高くなかった? 友達が「低くていい声してるよね~」って…。 私は、ガタッと勢いよく椅子から立ち上がった。 「悠哉…?」 そう口にしたとたん、ザワッと鳥肌が立っていく。 思わず手を運び、口を押さえていた。 あれは、悠哉だ。 絶対に悠哉だよ。 悠哉だよ! 足は勢いよく社長室へと向かっていた。 目を大きくして、息を荒げて、夢中だった。 たどり着いた目の前のドアをノックする。 コン!コン! 「…誰だ?」
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