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「私、ここの大学に通っていたときに、もちろんいろんな講演とか授業受けてきたんですけど、すっごい印象の強い日があったんです。
印象というよりは、自分のドジがあまりに目立った日と言ったほうが正しいんですけど…。
それで、その日、悠哉の講演を聞いていたことに気づいたんです!すごく回りの子たちが騒いでて、若社長でかっこいいんだって。それで、あれは悠哉だったんだって…」
私は身ぶり手振り、夢中で話を続けていた。
…が、その途中、なぜか悠哉はいきなりガタッと椅子から立ち上がる。
その行動に私はパチッと大きく瞬きをして、言葉を詰まらせていった。
あれ?どうしたの?
「…悠哉?」
不思議に思い見つめていると、今度はデスクに両手を突いて、私をまたも真っ直ぐに見つめてくる。
なんだかおかしい。
やっぱり、おかしいよね?
そう思いながら首を傾げた。
悠哉はそんな私をさらに見つめては、ゆっくり口を開いていく。
「本当に聞いていたのか?俺の話を」
「…え?」
私はさらに瞬きを繰り返し、そして目を泳がせていった。
そう聞いてくるってことは、やっぱり信じられないってこと?
そういうこと?
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