出会いの原点-2

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落ち着いて呼吸をしていると、悠哉は私の元までやってきた。 私はゆっくり椅子から立ち上がり、一礼した。 そして顔を上げると、私の前で立ち止まりジイッと見つめてくる。 しばらく口を閉じたまま、私の瞳に真っ直ぐ視線を注いでいた。 その間があまりに長くて不思議に思い、自分から声をかけてみた。 「社長…?どうかしましたか?」 すると、一度瞬きして、首を横に振る。 「いや、なんでもない」 そう言って、私の前に一枚のメモ用紙を差し出してきた。 私が視線をそれに移して受けとると、悠哉が続けてくる。 「予定が入った。忘れずに、把握しておくように」 え!?予定!? それを聞いて、おもわず私の胸の中でドクンッと大きな音が鳴った。 ま、まさか…。 9月1日に、予定が入ってしまったのでは!? そんな思いが過り、慌ててそのメモ用紙を顔に近づけ確認してみる。 そこには、「10月12日 14時~△△△△大学にて講演」と記されていた。 その文字を何度か読み返し、私はすぐに胸を撫で下ろした。 なぁんだ、よかったぁ!まだずっと先の予定じゃん。 悠哉ってば驚かさないでよ。
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