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「何を読んでるの?」
男子の声が聞こえた。上を向くと男子中学生がいた。
「君、中学生だよね。どうしてココにいるの?」
そう返すと、その男子はタレ目を少しキリっとして
「僕は高校生だぁ」
「うるさい、叫ぶな、黙って。」
男子はしょぼくれ、小さな声で
「何読んでるの?」
と、もう一回聞いてきた。
何回も聞かれるのは面倒くさい。
「・・・魔法学校の非日常。」
男子は目を光らせて私を見つめる。
「それ面白いよねぇ。特に主人公が10巻で先生を倒すところ良いよね。僕さ、主人公が大好きで・・・」
やっと私の不機嫌に気づいたらしい。まぁ、眉間に皺寄せてたら気づかない人はいないだろうし。
男子は体育座りして、私と目線を合わせてきた。
「どうしたの?」
目をうるうるしながら聞いてくる。
「あのさ、これカバー付いてるからだと思うけど、これ1巻なんだけど・・・。」
男子の表情が固まった。
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