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「・・・・・・。」
この空気なんか辛いし、面倒くさい。
目の前で笑顔のまま硬直してる男子はいるし。
「あ・・・・とっ・・・・ごめんなさい。」
頭を下げた。
「別に・・・。良いよ。」
はっと頭を上げ、また私を見つめている。
だけど、男子は凝視するように私の顔を見つめる。
なんか付いているのか?と不思議に思ったその瞬間、私の視界が霞んだ。
鼻を触る。眼鏡がない。盗られた。
これじゃ本が読めない。
「あっ、やっぱり眼鏡取った方が似合うよ。」
「関係ないでしょ、かえしてよ。」
「コンタクトにはしないの?」
「かえして。君最低。」
「かえすから名前教えて。」
面倒くさい。イライラする。質が悪い。
「・・・・・・観音寺美華。」
「覚えておくね、はいどうぞ。」
渡された眼鏡をかけなおす。
前を見ると男子はもういなかった。
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