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放課後に第一図書室でゆったりと本を読むのが私は好きだ。
第一図書室はほとんど人がいない。古め本が多く、もちろん新しい本もあるが、マイナー作品を扱っている。その代わりに、第二図書室では新しい本が多い。
あんまり大勢の人がいる場所が苦手な私は、静かな場所が好きで昔から、買い物や映画などは行かないで、家で本を読むのが一番落ち着く。けれど、ここは家以上に落ち着く。
埃っぽい雰囲気にオレンジ色の薄暗いランプ、ステンドグラスや曇りガラスの窓。サイドテーブルのような机に学習椅子。古時計の秒を刻む音しか聞こえない。私にとって何よりも落ち着く、お気に入りの場所になった。
私だけの空間。
そこに一番嫌いな人が来た。
両開きのドアを開け、私を見つけて走って向かってくる。無視を決め込むことにした。
「猫ちゃん、こんなところにいるんだね。」
「いちゃ悪い?」
「いてくれて嬉しい。」
満面の笑みで言ってくる。普通の女子ならドキッとすんだろうなぁと思った。
「で?なんで君ここにいるの?」
「ん?僕?僕は図書委員だから、今日は第一の所にいなきゃいけないんだ。」
最悪だ。本当に最悪だ。確かにここに来ると、受付にいる図書委員らしき人はいたけど、よりによってこの人なんて・・・。学校生活でこんなに嫌なことがおきるなんて。
男子は目の前に座った。
「図書委員なら受付に座るんじゃないの?」
仕方なく声をかけ、受付に遠回しに行けと言った。
男子はスッと立ち上がり、本棚に向かって行き少し経つと一冊の本を持ってまた目の前に座る。
本をそれみよがしに、開いて読み始めだした。
その題名に「大好きな君へ」と書いてある。男子でも最近は恋愛小説を読むのかと少し考え、思考を自分の持っている本に移し読む。
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